観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。
<あらすじ>
フィンランドに住む26歳の青年ペトリは、恋人との破局を契機に、物に囲まれた生活スタイルを一新する事を決意する。
彼は所有物を全て倉庫に預けた上で、あるルールを設定した。
・倉庫から持ち出す物は1日に1個だけ
・それを1年間継続する。
・1年間何も買わない。
それらのルールを自らに課す事で、今、自分にとって本当に必要な物は何か、人生で大事な事は何かを模索するようになっていく。
<感想>
自身の失恋をきっかけに、所持している全てのモノを倉庫に預け、あるルールのもと、365日を過ごすという、実際の”実験”を記録したドキュメンタリー映画です。
主人公の青年ペトリがその実験を行うにあたり、自らに課したルールは以下の4つになります。
・所有物は一切の例外なく、全て倉庫に
・倉庫から取り出せる物は1日1個まで
・それを1年間続ける
・1年間、何も買わない
昨今、「断捨離」という行為が流行っておりますが、断捨離とは不要な物をどんどん捨てていく事であるのに対し、この映画は「本当に必要な物だけを、ゼロから増やしていく」というのがテーマとなります。
断捨離とは逆の発想という訳です。
しかし、彼の場合、自分を見つめ直すためとはいえ、ここまでやるか?っていう徹底ぶり。
何せ、スタートは裸の状態。洋服や下着を含め、一切の持ち物が無い状態での実験開始ですから、その本気度が伝わってきますね。
人通りの無い夜中にこっそり、雪が降る中を素足に素っ裸で倉庫まで走る姿は、さながら罰ゲームのよう。
こんなん、一歩間違えれば逮捕ですよ!(笑)
そんな彼が最初に選んだのは、コート。
しかも、その日は素っ裸にコート一枚ですからね。まるで露出狂そのものですが、彼は至って本気です(笑)。
そして、そこから先は、下着にズボンに靴と、身に付けるものから順に増やしていきます。まぁ順当ですよね。これらは無いと外を出歩く事すら出来ませんし。
その後は、身に付ける物から家に置く物にシフトしていくのですが、とても印象に残っているシーンは、彼がマットレスを持って帰ったシーンです。
今まで、コートを布団替わりに硬い床で寝ていたのが、フカフカのマットレスで目覚めた時の彼の幸福そうな顔といったら…。
普段我々は、そういった物を当たり前のように使っていますが、彼はそれらを一度手放した事で、その有り難みを身体全体で感じている様に思えました。
日常的に身の回りに物が溢れていて、大抵の物は手に入る今の時代にはなかなか味わう事が出来ない感情でしょうね。非常に考えさせられるシーンでした。
普通なら物が増える次の日が待ち遠しい筈が、50日目くらいで「何かもう、必要な物がない」ってなったのも驚きでしたね。
案外、そんなものなのかも。
こうして観ていると、「自分だったら初めは一体何を選ぶだろう?」「その次は何を?」って考えてしまいますね。きっと、皆んなそれぞれ、選ぶ物が違うんでしょうね。
そんな事を想像するのもまた、この映画の楽しみ方だと思います。
映画としては全体的にドキュメンタリータッチで、非常に淡々と進んでいきます。
軽快なサックスのBGMをバックに、盛り上がる箇所もあんまり無いので、人によっては退屈に感じる映画かもしれません。
しかし、幸福とは何かという事を考える、ちょっとしたキッカケにはなりますので、興味のある方は是非、ご覧になってみて下さい。
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