私の映画鑑賞記

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観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。



アルキメデスの大戦

2019年製作(日本)
監督   :山崎貴
脚本   :山崎貴
製作   :佐藤善宏
守屋圭一郎
製作総指揮:阿部秀司
山内章弘
音楽   :佐藤直紀

【主要キャスト】
 菅田将暉(櫂直(海軍少佐))
 柄本佑(田中正二郎(海軍少尉))
 浜辺美波(尾崎鏡子)
 舘ひろし(山本五十六(海軍少将))
 國村隼(永野修身(海軍大将))
 橋爪功(嶋田繁太郎(海軍少将))
 田中泯(平山忠道(造船中将))
 笑福亭鶴瓶(大里清)




<あらすじ>
1945年(昭和20年)4月7日、大日本帝国海軍の象徴である巨大戦艦「大和」は、坊ノ岬沖でアメリカ軍の猛烈な航空攻撃を受け、激戦の末、沈没した。

…時は遡り、1933年(昭和8年)、欧米列強との対立を深めた日本は軍拡路線に傾き始める。
その最中で海軍省は世界最大の戦艦を建造する計画を進めていたが、この案には反対意見も多かった。
特に海軍少将・山本五十六は「これからの海戦は空母を主体とした航空兵力が必要不可欠であり、ただ高価なだけの戦艦など不要」という自論を持っており、戦艦建造推進派と真っ向から対立していた。

そんな折、山本少将は、推進派が提出してきた戦艦の建造費見積もりが異様に安価である事に疑念を抱き、独自に見積もりを算出してそのカラクリを暴こうと試みる。
そして、その任務を遂行できる人物として、100年に一人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直に目をつける。

<感想>
強行されようとしている時代遅れの巨大戦艦「大和」の建造を数学の力によって阻止するという、一風変わった架空戦記モノの映画です。
(ベースは史実に沿っていますが)
原作は同タイトルの漫画であり、そちらは未だ連載中となっています。(2020年9月現在)

絶賛連載中の作品をどのように完結させるのか、非常に興味がありましたが、個人的には「なるほど!」と思わせる結末で、ネット上の評価は賛否両論でしたが私としてはアリだと思います。
※なお、私は原作既読。

さて、肝心の内容ですが、冒頭、いきなり坊ノ岬沖海戦のシーンが始まったのには驚かされました。
この後劇中にて、山本五十六少将が「これからの戦争は航空機が主体であり、戦艦は時代遅れ」と語るシーンがありますが、それが事実であったという事をいきなり観る者に突き付けてきます。

もはや大艦巨砲主義の遺物と化した戦艦大和は、皮肉にもアメリカ軍の”航空攻撃”により撃沈。
無数の魚雷と爆弾を浴び、傾きながら沈んでいく大和のシーンは圧巻でした。

そこから物語は12年前に遡り、巨大戦艦建造推進派と、空母建造推進派の攻防を、天才数学者・櫂直の視点から描いています。

巨大戦艦の建造計画を、数学的観点で阻止するというのは、なかなか斬新な設定だと思いました。
劇中で登場する数式は我々にはサッパリ分からないものばかりですが、それでも映画の面白さは充分に伝わってきます。

そして何より、平山造船中将を演じた田中泯さんが良い味を出していましたね。
菅田将暉さん演じる櫂少佐との攻防は非常に見応えがありました。この映画ではどちらかというと敵役という立ち位置でしたが、主役にも勝るオーラがありました。

彼は終盤、巨大戦艦建造の本当の理由を櫂少佐のみに伝えるんですが、ここまで原作を改変するのはかなりの決断だったのではないでしょうか。
この部分は賛否両論ありましたが、映画という前提であれば、話としては面白いと感じました。
(実際にこの理由で大和が造られたとなれば、到底納得は出来ませんが)

なお、クライマックスのシーンは、冒頭のシーンを観た後だけに、何だか複雑な気持ちになりましたね。
出航する大和を見た櫂少佐が「あの戦艦は日本そのものだ…」と呟き、隣にいた別の軍人が「そうですね!」と答えるシーン。
「日本そのもの」の捉え方が両者で正反対なのがとても印象的でした。

まぁ、架空戦記モノであり大和建造の経緯は史実とは異なりますが、戦争というものを新しい視点で描いたという点で、興味深く観ることができました。


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