私の映画鑑賞記

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観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。



ドッグヴィル

2003年製作(デンマーク)
監督   :ラース・フォン・トリアー
脚本   :ラース・フォン・トリアー
製作   :ヴィベク・ウィンドレフ
製作総指揮:ペーター・オールベック・イェンセン

【主要キャスト】
 ニコール・キッドマン(グレース)
 ポール・ベタニー(トム)
 クロエ・セヴィニー(リズ)
 ローレン・バコール(ジンジャー)
 ステラン・スカルスガルド(チャック)




<あらすじ>
ロッキー山脈にひっそりとある鉱山町ドッグヴィル。
そこにグレースという美しい女性がギャングに追われて逃げ込んでくる。町に住む青年トムは、グレースに追われていた理由を尋ねるも、頑なに口にしようとしない。
訳がある事を悟ったトムはグレースを受け入れ、匿うことを決心するが、町の人々に納得してもらうため、グレースが町の人間に奉仕することと引き換えに匿うことを提案する。
グレースは受け入れてもらうために必死で努力し、町の人々とも良好な関係を築くが、ある日警官が町にやってきてグレースを指名手配犯として捜索している旨を伝えられる。

町の人々はグレースを匿うが、やがてその弱みにつけこみ、グレースに重労働をさせるなど、まるで自分達の奴隷のように扱うように変貌していく。

<感想>
人間の汚い一面を描いた映画は世の中に数多とありますが、本作もそのうちの一本として有名な作品です。
しかし、本作が他の映画と明らかに異なるのは、明らかに異質なその舞台セットにあります。

町での出来事を描いた映画なので、当然町の中で撮影しているかと思いきや、本作では大きな屋内のスタジオ(倉庫?)の様な場所で撮られています。
しかも、そこに家や道は一切無く、床に白線で家や道を表す線が引かれているだけです。
一応、建物を表す線の中に最低限の家具等は配置されていますが、壁やドアも無く、演者の皆さんはあたかもそこに壁やドアがあるかのように演じています。
まるで、映画ではなく舞台観劇を観ているかのような錯覚にとらわれます。

この手法はかなり斬新ですね。今までに無かった手法なので、初めて観た時はかなり驚きましたが、これはなかなか面白い手法だと思います。
こうした環境下で自然に演じている俳優さん達は本当に素晴らしいですよ。

そんな斬新な舞台セットに加えて、本作の見所は何と言っても、人間の醜悪さにあります。
とはいっても、この町に住む人々は元々は普通に暮らしていた普通の人達。彼等だけで暮らしている分には、丁度よく均衡が保たれていたのでしょうが、グレースという訳ありの女性が迷い込んできた事で、その均衡が徐々に崩れていきます。
グレースが奉仕をしてくれる事で楽をする事を覚え、更に他の人達も、「オレもオレも」という感じで要求がエスカレートしていき、やがて「皆んなもやっているから」と、暴走していく町の人々。男達に至っては、性的虐待にまで走る始末。

こうして書いてみると、その醜悪さを再認識できるのですが、これって恐らく、世界のあちこちで現在進行形で起きている事だと思います。
そう考えると、この映画の舞台って、現代社会の縮図なんだろうなと考えてしまいます。

因みに、ラストシーンでは町の人達に天罰が降るんですが、ラストまで観ていると、もはや町の人間にまともな奴は一人もいないかのように思えてきますので、正直言って、少しスカッとしてしまいました。
まぁ、あの結末にスカッとする時点で、私も感覚がおかしくなってたかもしれませんが…。

この辺りの描写も含め、作品としては賛否両論あるかもしれませんが、私としては、全編通して非常に考えさせられる、良い映画でした。


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