私の映画鑑賞記

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観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。



硫黄島からの手紙

2006年製作(アメリカ)
監督   :クリント・イーストウッド
脚本   :アイリス・ヤマシタ
製作   :クリント・イーストウッド
スティーヴン・スピルバーグ
ロバート・ロレンツ
製作総指揮:ポール・ハギス
音楽   :カイル・イーストウッド
マイケル・スティーヴンス

【主要キャスト】
 渡辺謙(栗林忠道 陸軍中将)
 二宮和也(西郷昇 陸軍一等兵)
 伊原剛志(西竹一 陸軍中佐)
 加瀬亮(清水洋一 陸軍上等兵)
 中村獅童(伊藤 海軍大尉)
 渡辺広(藤田正喜 陸軍中尉)
 裕木奈江(花子 ※西郷の妻)




<あらすじ>
1944年6月、太平洋戦争における戦況は悪化の一途を辿り、本土防衛の最後の砦である硫黄島には、陸軍の栗林忠道中将が最高指揮官として着任した。

栗林中将は着任早々、島嶼防衛の基本である水際防衛作戦を否定し、地下道を張り巡らせて持久戦を行う方針に転換する。
また、上官による部下への理不尽な体罰も改めさせ、兵士からは歓迎されるも、古参の海軍将校からは煙たがられる。

そして、運命の1945年2月19日、遂にアメリカ軍が硫黄島への上陸を開始する。
その圧倒的な兵力差から、アメリカ軍は当初、5日で島を占領できると分析していたが、島中に張り巡らされた地下道に籠り徹底抗戦を貫く日本軍の前に大苦戦。
その後36日間にも及ぶ歴史的な激戦となる。

<感想>
巨匠クリント・イーストウッド監督による、硫黄島の戦いを描いた2部作のうち、日本軍の視点で描いたのが、この「硫黄島からの手紙」です。

アメリカ側の視点で描いた「父親からの星条旗」も観ましたが、どちらの立場にも傾倒し過ぎる事なく、非常に公平に描いているように感じました。
日本、アメリカ双方の良い面、悪い面をきちんと表現しているため、観ていてモヤモヤする事もありませんでしたね。

それにしても、アメリカ視点はともかく、日本側の視点でここまでの作品が作れるイーストウッド監督、本当に素晴らしいと思います。
この作品を世に産み出してくれた事に感謝し、敬意を表すると同時に、日本人の手でこの作品が作れなかった(合作ですらない)事がとても残念です。

なお、この映画を観て感じたのは、この島で戦った日本兵達が、勝つ為でなく、本土への攻撃をとにかく一日でも遅らせるという、悲壮な決意で戦っていたんだという事です。

劇中でも、渡辺謙さん演じる栗林中将が、
「我々の子供達が日本で一日でも長く安泰に暮らせるのなら、我々が守るこの一日には意味があるんです!」と言うシーンがあります。

どうせ勝てる訳もなく、無駄死にだと評する人も中にはいるかもしれませんが、この島での徹底抗戦があった事で米軍の本土爆撃が遅れ、その間に疎開できた子供達もたくさんいた事でしょうし、そう考えると、この戦いには大きな意味があったのだと言えますね。

また、嵐の二宮さん演じる西郷一等兵も、賛否両論ありそうですが、個人的には良い味を出していたと思います。
兵士らしからぬ台詞も多く、「本当にこんな軽口や愚痴ばっかり言う兵士がいたのか?」と思ってしまいますが、当時の硫黄島の守備隊の多くは職業軍人ではなく、徴兵された一般人であった事を考えると、ある意味でリアルな設定かもしれません。

そして、そんな徴兵によって島の守備隊になった兵士達が、敗れたとはいえ、これだけの徹底抗戦を行えたというところに、日本人の底力を垣間見た思いです。

あと、個人的に一番印象に残ったのは、最後の突撃前に、指揮官の栗林中将が残った兵士達を前に告げたこの台詞です。

「日本が戦に敗れたりと言えども、いつの日か国民が、諸君等の勲功を讃え、諸君等の霊に涙し黙祷を捧げる日が必ずや来るであろう」

このシーンは物凄く自分の心に突き刺さりました。未来の日本で平和を享受している我々にそれが出来ているだろうかと、思わず自問してしまいます。

この島は勿論のこと、多くの戦場で帰らぬ人となった日本兵の尊い犠牲の元に、今の日本があるという事実を噛みしめながら、日々過ごしていきたいと思います。


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