観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。
<あらすじ>
1953年冬、朝鮮戦争は泥沼化し、停戦協議は難航を極めていた。
最前線である国境付近の高地、通称「エロック高地」では激しい戦闘が繰り返し展開され、両軍の兵士達は疲れ切っていた。
そんな中、韓国軍諜報部隊のカン・ウンピョ中尉は、エロック高地で戦う精鋭部隊「ワニ部隊」の中に、人民軍と内通している者が居るとの噂について調査するため、現地に派遣された。
ウンピョは、そこでかつての戦友・スヒョクと再開する。しかし、臆病だったはずのスヒョクは異例の早さで中尉への出世を遂げ、立派な軍人へと変貌していた。
ある日、激しい戦闘が繰り広げられた後の高地にて、ウンピョはスヒョクを始めとしたワニ部隊の隊員達が北の兵士達と通じているところを目撃してしまう。
<感想>
朝鮮戦争を題材とした映画では、「ブラザーフッド」が有名ですが、戦闘シーンのリアルさでいえば、本作も決して引けをとってはいません。
この映画に限らずですが、韓国の戦争映画における血生臭さは、他の国のそれとは一線を画しているように思います。
やはり、休戦中とはいえ、国際法上は未だに北朝鮮と戦争状態というお国柄がそれを可能にしているのでしょうか。
さて、肝心の映画の内容ですが、この映画に登場する戦場とは、38度線付近にあるただの山です。
そこは草木も無く、ただの焼け爛れたハゲ山であり、そんな何の価値もない土地を何十回も奪い合うという、何とも意味のない戦いが繰り広げられているという設定です。
そこの土地そのものには到底価値があるようには見えず、とりあえず両軍が地図上の領地を増やしたいという思いから、延々と戦いが続いているといった形ですね。
そして、地図上でたかだか数ミリ領地が増えた!と喜ぶのは後方の司令部で、前線の兵士達は最早何のために戦っているのか分からないという、そんな虚しさにも似た雰囲気が伝わってきます。
そんな極限状態の中でも、両軍の兵士達が手紙や贈り物を通じてコッソリと交流しているところは、僅かですが心温まりますね。こういうところの設定は、何となく韓国映画っぽいです。
そして物語終盤に繰り広げられる最期の戦闘については、詳細はネタバレになるので書きませんが、あれこそ意味のない戦いの最たるものだと個人的には思います。
あの状況下で再び戦わせるなんて、両軍とも前線の兵士達の事なんて屁とも思ってないって事じゃないですか。
あのシーンには、怒りや虚しさを感じると共に、そこにいる兵士達の事を考えると、何とも言えない気持ちになります。
本作は、そんな戦争の不条理をこれでもかと感じる事ができる映画となっています。
戦争映画としては秀逸だと思いますので、知名度はあまり高くないかもしれませんが、観て損はありません。
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