観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。
<あらすじ>
航空会社大手である国民航空の社員である恩地元は、労働組合の委員長を務め、純粋な思いで職場環境の改善を目指し会社側と争う。
しかし、その過程で強行手段に訴えた事で会社側と対立し、懲罰人事で僻地への海外赴任を命じられてしまう。
パキスタン、イラン、ケニアと、「流刑」とも取れる転勤を10年にも渡り強いられた恩地は、その後ようやく本社への復帰を果たすが、その直後に国民航空のジャンボ機が御巣鷹山に墜落するという大事故が起きる。
念願の本社復帰から一息付く間もなく、恩地は事故遺族の世話係を命じられ、心身共に疲弊していく。
<感想>
山崎豊子さんの同名小説を映画化した本作ですが、その内容については、かなり物議を醸し出したそうですね。
この作品に出てくる『国民航空』とは、我が国に実在する『日本航空(JAL)』がモデルになっていて、その中枢の腐敗した内情を描いた作品だけに、その内容を巡って日航側ともかなり争ったとの事。
まぁ、この作品で描かれている事が事実だとすれば、企業としては恐るべき腐敗ぶりだと思いますが、実際のところはどうなんでしょう?
映画内では「労働組合側=善、会社側=悪」として表現されていますが、現実の労働組合(他の企業含め)を見ると、必ずしもそうとは言えない感じですし、こればっかりは想像するしかありませんね。
さて、肝心の映画の中身ですが、とにかく出演者が豪華ですね。他の映画なら主演で出るような人でもチョイ役で出てたりしますし、贅沢な使い方だなぁと感心しました。
そして、なんとこの映画、上映時間が202分もあります!余裕の3時間越えですよ。
真ん中にインターバル(休憩)があり、前半と後半に分かれた構成となっています。
にも関わらず、その長さを感じずに最後まで集中して観られたのは、社会派作品として見応えがあるという事です。
この映画の主人公、恩地は、本当に純粋な人物として描かれています。不当な扱いを受けても文句一つ言わず、ただただ耐え抜いて、正しい事のために、目の前の仕事に打ち込んでいく。
悪い言い方をすれば、世渡り下手な人なんでしょうが、それが却って、人の信頼を得る事にも繋がっているように思えますし、事故遺族との交流についても、そういう描かれ方をしていますね。
それと対比するような形で、上層部の腐敗した実態が描かれています。
男っていうのは、金と地位と名誉の前では、こうも変わっていくんですね。とは言え、そういう人ほど、上にのし上がる事が出来るのもまた現実。世の中というのは、なかなか綺麗には行きませんね。
ただ、これは誰にでも言える事で、私もそれらを目の前にぶら下げられれば、コロッと豹変するかもしれません(笑)。
そして、最後も恩地にとっては必ずしもハッピーエンドとは言えない内容(人によってはハッピーエンドと捉えるかも)なんですが、観ている我々にとっては、いい終わり方だとは思いました。
罰を受けるべき面々に対しても、しっかりと罰が下っていましたし、恩地が事故遺族の一人に宛てた手紙の内容も、恩地の人柄が現れていましたね。
日航機事故を絡めて描いている為、その内容には賛否両論あるとは思いますが、個人的にはかなりの良作でした。
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