私の映画鑑賞記

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観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。



太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-

2011年製作(日本)
監督   :平山秀幸
脚本   :西岡琢也
グレゴリー・マークェット
チェリン・グラック
製作総指揮:奥田誠治
音楽   :加古隆

【主要キャスト】
 竹野内豊(大場栄 大尉)
 唐沢寿明(堀内今朝松 一等兵)
 井上真央(青野千恵子)
 山田孝之(木谷敏男 曹長)
 中嶋朋子(奥野春子)
 阿部サダヲ(元木末吉)
 ショーン・マクゴーウァン(ハーマン・ルイス大尉)




<あらすじ>
昭和19年7月、サイパン島の日本軍は、アメリカ軍の猛攻に必死に耐えながらも、大規模な反撃をする力はもう残されていなかった。
南雲中将を始めとした指揮官達は自決し、残った兵士達は最期の突撃を敢行、壮烈な玉砕を遂げる。

陸軍の大場栄大尉も突撃に加わっていたが、至近距離で爆風を浴びて気絶し、その結果、一命を取り留めた。

その後、他の生き残った兵士達と合流した大場はジャングルに後退する。
当初は玉砕を考えていた大場であったが、ジャングルに逃げ延びていた民間人を傘下に加えた事で、彼らと共に生き延びる決意を固める。

<感想>
太平洋戦争におけるサイパン島での戦いにて、米軍の占領後も47名の残存兵と共に徹底抗戦を貫き、最終的に200名に及ぶ民間人の命を守った事で知られる、陸軍の大場栄大尉を描いた映画です。
実在した人物を元にした戦争映画という事になります。

冒頭、アメリカ軍の大規模な艦砲射撃により壊滅寸前となった日本軍が、残存兵力を結集し、最期の突撃を敢行するシーンから始まります。
かなりの迫力で描かれているシーンですが、「ばんざーい!!」と叫びながら米軍に突撃していく場面は、日本人としては観るのが辛いところです。

主人公である大場大尉も指揮官として突撃するのですが、偶然近くで着弾した砲撃の爆風を浴び、気絶してしまった事で、結果的に一命を取り留めます。

その後、他の生き残った兵士と合流した大場大尉は、アメリカ軍から逃れるためにジャングル内に隠れていた200名を超える民間人を守りながら、アメリカ軍とゲリラ戦を展開していく、というストーリーです。

主演の竹野内豊さん演じる大場大尉が、実直で朴訥な人物に描かれていて、観ていて非常に好感が持てました。
指揮官として驕ることなく、民間人に対しても優しく接し、ただひたすらに祖国の勝利を信じて戦う、軍人の見本のような方だと感じました。

劇中では、この大場大尉の心の葛藤も上手く描かれています。47名もの残存兵を率い、帝国軍人として最後まで戦い抜くという気持ちと、約200名もの民間人を抱え、彼らのためにも早く降伏させてあげたいという気持ち。
この狭間で揺れ動きながらも、常に冷静に判断をして危機を乗り越えていく姿に、真の日本軍人を見た思いです。

そして、米軍によるサイパン占領後、500日以上も戦い抜き、最後に山を降りるシーンは、私はもう目がウルウル状態でした。
皆んなで整列し、「歩兵の本領」を歌いながら行進して山を降りるんですが、その時の彼らは何を思っていたんだろう、そんな事を観ながら考えていました。
降伏する悔しさ、日本に帰れる安堵感、最後まで戦い抜いたという達成感、いろいろな感情が入り混じっていたんだろうなぁ。
同時に、その堂々とした行進に、同じ日本人として、思わず背筋が伸びる思いでした。

そんな中、大場大尉を尊敬する米軍兵士の役の方も、良い味を出してくれていましたね。
彼が、降伏した大場大尉に「あなたは多くの日本人の命を救いました」と問いかけ、大場大尉が「私はそれ以上の命をこの手で奪った。私はこの島で褒められる事は何一つしていません。」と静かに答えるシーンがとても印象的でした。
大場大尉という人物をよく現している台詞だと思います。

他にも、唐沢寿明さん演じる堀内一等兵の、もろに”兵隊やくざ”といった感じのビジュアルも見所です。
ちょっとやり過ぎ感はありましたが(笑)、個人的には嫌いじゃないですね。

日本の戦争映画としては珍しく、米軍視点のシーンも数多くあり、お互いの立場を冷静に描いているところも好印象でした。
意外と、そういう戦闘映画って、邦画にはあまり無いんですよね。
残酷な描写も極力抑えられていますので、戦争映画が苦手な人でも鑑賞できると思います。
かなりの良作なので、是非ご覧になって欲しい映画です。


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