私の映画鑑賞記

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観た映画のあらすじや感想を好きに書いているサイトです。あくまで個人的な感想としてネタバレも若干含めて書いているので、その辺りはご容赦下さい。



スターリンの葬送狂騒曲

2017年製作(イギリス・フランス合作)
監督   :アーマンド・イアヌッチ
脚本   :アーマンド・イアヌッチ
デヴィッド・シュナイダー
イアン・マーティン
ピーター・フェローズ
製作   :ヤン・ゼヌー
ローラン・ゼトゥンヌ
ニコラ・デュヴァル・アダソフスキ
ケヴィン・ローダー
製作総指揮:ジーン・クリストフ・コルソン
ジル・ダオスト
キャサリン・デュモンソー
音楽   :クリス・ウィリス

【主要キャスト】
 スティーヴ・ブシェミ(ニキータ・フルシチョフ)
 サイモン・ラッセル・ビール(ラヴレンチー・ベリヤ)
 ジェフリー・タンバー(ゲオルギー・マレンコフ)
 ジェイソン・アイザックス(ゲオルギー・ジューコフ)
 ルパート・フレンド(ワシーリー・スターリン)
 エイドリアン・マクラフリン(ヨシフ・スターリン)




<あらすじ>
苛烈な「粛清」の下で20年以上に渡ってソ連を支配し続けてきた独裁者スターリン。
それを恨みに思っていたソ連国民も多く存在し、その内の一人が、スターリンを罵倒するメモを贈り物に忍ばせた。そのメモを執務室で偶然目にしたスターリンは、ショックのあまり昏倒し、そのまま息を引き取ってしまう。

スターリンが後継者を指名せずに亡くなってしまった事で、早速、政府首脳の間で後継者争いが勃発する。

スターリンの腹心だったマレンコフは、秘密警察最高責任者ベリヤと手を組み、いち早く書記長代理として名乗りを上げる。
ベリヤはさらにモスクワを掌握すべく、配下の秘密警察を使い警備にあたらせた。

一方、葬儀委員長をベリヤから一方的に押し付けられた中央委員会第一書記フルシチョフも負けじと、ベリヤと犬猿の仲の軍司令官ジューコフと手を組み、反撃を開始する。

<感想>
第二次世界大戦後のソビエト連邦で巻き起こった、最高指導者スターリン死後の権力闘争を、ユーモアたっぷりに描いたブラックコメディ作品です。
冒頭のコンサートのシーンから、スターリンが国民からどれだけ恐れられていたかがもの凄く伝わってきます。
とにかく、ちょっとでもスターリンの機嫌を損ねれば、即”粛正”対象となるだけに、その緊張感たるやハンパじゃないです。
しかも、その影響は一般国民から党幹部に至るまで例外なく及んでいた訳ですから、如何にソ連という国が狂っていたかが良く分かります。
貧富の差の無い平等な社会を謳ったソビエト連邦ですが、これがその実態です。恐るべし、共産主義国家。

そして、この映画の最大の特徴が、前述のような狂った実態を、終始面白おかしく描いている点です。
笑っちゃうような展開が至る所にあるんですが、よくよく考えてみると、その裏で人が当たり前のように殺されているんですから恐ろしい限りです。

さて、本作は、フルシチョフとベリヤという、二人の共産党幹部を中心に話が進んでいきます。
スターリン死後の、ソ連国内の覇権を賭けた椅子取りゲームが幕を開ける訳ですが、椅子から転げ落ちるイコール”死”なので、もうとにかくルール無用。使える手は何でも使って、如何に政敵を追い落とすかに全力が注がれています。

そんな国民そっちのけの血みどろの権力争いですが、そんな中でも、この映画はコミカルに描く事を忘れていません。
昏倒して小便を漏らしたスターリンを運ぶ時、どちらが濡れた足の方を持つかで揉めるシーンとか、まるで喜劇の舞台演技みたいで、思わず「ふふっ」って笑っちゃいました。

この他にも、本当にえげつない足の引っ張り合いが終始展開され、滑稽であると同時に背筋が凍ります。
映画だからこそ笑って観られますが、実際は我々には想像も出来ない程のドス黒さだったんだろうと思います。
これを映画として笑って鑑賞できる現代の日本って、本当に幸せだなぁ。

因みに、劇中は実在した人物が何人も登場するため、スターリン死後の人物相関図を少しだけでもなぞっておくと、より興味深く観る事ができてオススメです。


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